先日退去された404号室の入居者、Tさん。
私は1~2回しかお会いしたことがないのですが、
他の弊社スタッフからは、
DIYが好きで、弊社が開催した文化祭やもちつき、隣人祭りなどのイベントにも積極的に参加され、
「山王マンションでの生活をとても楽しまれていたみたいですね。」
との話をきいていました。
その方は退去の際に、ご自身で作られた棚などを
「よかったら使ってください。」と残されていかれました。
それらを拝見すると、決して派手ではないのですが、
その方の生活スタイルから生まれてきたアイデアなのだろうなということが、
とても感じられるものでした。
今回はその家具たちを少しご紹介。
このような収納箱は100円ショップなどでも手軽に購入できるものですが、
“自分でつくる”ことによって、既製品とは違う価値が作り手の方の中に生まれるはず。
Tさんは棚を作る過程も楽しまれるような方なのだなということが感じられます。
板とボックスを組み合わせることで棚を作るというこのアイデア。
見たとたん
「なんかもう、いい!」
って思ってしまいました。
うまく説明できませんが、この部屋ととてもあっているのです。
しかもこの板は古材を使っているそうで、
仕入先をきくと、なんと山王マンションの屋上!
山王マンション屋上を洗濯物干し場に使っていたTさんは、
そこに置いてあった板がずっと気になっていたそうで、
あるとき弊社に「使っていいですか?」と相談があったのだとか。
それはあうはずです。
右側のフック付きの白い3段の棚がそうです。
こちらは、入居者さまからご相談があり、弊社スタッフが取り付けに伺いました。
キッチンにあるととても便利なの壁付き棚ですが、
どこに付けるのが良いのか、それは住む人の使い方によって様々ですので、
設計段階では判断ができません。
つまり、住んでいただき足りないものを付加していただくことで、
お部屋はどんどん使いやすく進化していくのです。
こんな風にみていくと、誤解を恐れずに表現するとしたら、
「その部屋でしか使えない家具」
というものがビンテージビルには存在するのではと感じます。
その部屋を活かしつつ、使えるような改変を加える。
それは、辻褄合わせやパズルのような作業。
なので、部屋そのものは住居として完璧ではない。
だからこそ、住み手によって手を加えられることにとても意味があり、
その中で付加されたものは
「その部屋でしか使えない家具」「その部屋のための家具」
なのです。
だから、404号室の入居者さまは、これらの家具を残していかれたのだと思うのです。
次にこの部屋で生活される方が、ここを住みこなすためのヒントとして。
少々長くなりましたが、この辺で。
こういうことを考えていると、
何時間でもこの部屋で過ごすことができるのが、
私という人間です。
共感される方はいらっしゃるかな?
もちつき課、梶原でした!
山王マンション404号室についてはこちら。
「オルタナティブルーム」