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スペースRデザイン
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SOHO入居者さん紹介の第3回目は、フリーカメラマンの日髙康智さんです。

 日髙さんは今年、カメラマンとして20年目を迎えます。ご専門は、広告等に使われる写真を扱う商業カメラマンですが、アビスパ福岡のオフィシャルカメラマンとして試合の撮影を行うなど、分野をまたいだお仕事もされています。2010年に行われた山王マンション大規模改修の際には、日髙さんにその過程を写真で記録していただきました。

 山王マンションにある「air studio」は、日髙さんが6年前、独立するにあたって構えられた事務所兼スタジオです。住居マンションの中に仕立てられたスタジオは、日髙さんがこれまでの経験から感じたことや、仕事に向かう姿勢に対して、自分なりの解決方法や試みを実現した空間になっています。

 現状に満足するのではなく、常に向上心をもって物事に取り組まれている日高さんの、山王マンションの住みこなし方をご紹介します。

「訪れる人目線でスタジオのあり方を考える」

 山王マンションにある日髙さんの事務所にはスタジオも併設されています。日高さんのスタジオは、自然光が入るとても明るい空間です。この部屋は、住居として使われることをイメージしてデザインされているので、真っ白の壁に無垢のフローリング、窓が大きく開放感があります。


山王マンションにある日髙さんのスタジオ。

 わたしのイメージするスタジオとは正反対といっていいほど異なっていたので、「ここ、スタジオ?」と、入った瞬間は驚きました。一般的に、写真スタジオというのは、遮光をしたり窓がなかったりと光を入れないようにつくられています。というのも、撮影で照明機材を使用する際には自分でコントロールできない自然光が邪魔になるからです。

 しかし日髙さんは、自分のスタジオを構える場所として「光が入る空間」を探したそうです。理由は、これまでの経験のなかで、従来の暗いスタジオは閉鎖的で、初めて訪れる人に緊張感を与える空間になるというデメリットがあると感じており、その部分を解消したいと考えていたからです。

「カフェや美容室のような人を招く空間にしたかったのです。私が作りたいスタジオにとっては、山王マンションにオートロックがないことも好条件でした。」

 仕事で知り合った方が、ここに家族写真を撮ってもらいにしばしば訪れるのだそうです。

「air studio―その場の空気を表現する-」

 日髙さんは撮影の仕事を行うときは、まずクライアントへのヒアリングから始めます。何のための写真なのか、伝えたいことは何か、誰に向けたものなのか、などの話を聴いて、どのような写真を撮るかを決めていきます。

「提案型」

 日髙さんは、そう表現されています。クライアントの考えるイメージを実現させることに留まるのではなく、本当にその人にとって良いものとは何であるかを見つけ、提案をする。また、そのためには映し出されたものの背景にあるものや、その場の空気をも写真で表現することが大事であるといいます。ゆえに、日髙さんにとっては、クライアントとの会話は大事な時間なのです。

取材に先立って、日髙さんのお仕事に同行させていただきました。


この日はプロフィール写真の撮影でした。

写真を撮られる側の意見を聴きつつ、自分の専門的な知識と感覚とをあわせながら、お互いが納得いく作品を作り上げていきます。撮影は、撮る側も撮られる側も結構な体力仕事。相手を気遣いながらも、仕上がりに妥協は許さない。1分1秒、1枚1枚が勝負のようでした。

自分でスタジオを仕立てる

 スタジオとして利用するには、部屋に間仕切りがないことが条件となります。被写体と空間全体を撮るために、ある程度奥行きが確保できる空間でなければなりません。よさそうな物件がないかを自分の足で探し、それと同時並行で不動産会社のWEBでも探す中で、スペースRデザインを知った日髙さん。見学に訪れ、当時募集中だった部屋をいくつか見た上で、現在の山王マンションの部屋への入居を決めました。
 この写真の筒が乗っている出っ張りは日髙さんのアイデア棚です。入居1年後くらいに日髙さんからご相談を受け、弊社の社員と一緒に取り付けを行いました。この筒を床に置くことで生じる雑多感を、この棚を設置することで解消されました。L型の金具を2つ組み合わせた棚板がないシンプルな棚です。「この筒をここに収納したい」という考えから生まれた、日高さんがこの部屋をスタジオとして使っているからこそできた棚なのです。


筒がきれいに収まっています。

この話題のときに、日髙さんから嬉しい一言が。
「(棚をつけたいというのは)だめもとで言ってみたんだけどね。こういう大家さんというか管理者との距離が近いのはいいですね。」

賃貸住宅に住んでいる方が多い現在、その中で理想のお部屋作りのお手伝いができる存在は大事だなと改めて感じました。

「常に向上心をもって」

 日髙さんは、スタジオを構える場所を探すときに、郊外との2拠点のワークスタイルや戸建て住宅なども考えられたそうですが、クライアントから見た来やすさや独立したて等の理由から、“今の時期はここ”というふうに決められたそうです。もう少し広ければと思うこともあるそうですが、山王マンションならではの環境もプラスに受け止めてくださっています。
「『ここには面白そうな人たちが集まってくるだろうな』という感覚はありました。その点からすると、スペースRデザインさんが何度か開催している餅つき大会やバーベキューは他の入居者さんと交流できる場になるし、仕事に繋がる云々に関わらずとても有益な場だと思います。」


8月に行った入居者さんとの交流を目的とした隣人祭り。

 山王マンションの印象について、日髙さんはこう話されました。また、私たちは日髙さんと知り合ったことをきっかけに、大規模改修の記録を企画することができましたし(詳しくは下のリンクより『山王マンション 再生のきろく展』をご覧ください)、他の入居者さんからは撮影依頼などもあったそうです。山王マンションには、オンリーワンな空間を求めて、価値観が似ている方々が集まり、その中で交流や仕事の機会が生まれうる環境が育まれているのです。

 この先、次のステップに進むために山王マンションから旅立たれることになっても、日髙さんは、ここでの経験を何らかの形でその後の人生に繋げていかれるのではないでしょうか。とすると、山王マンションはステップアップの場としての可能性を秘めているということが言えそうです。

文:梶原あき
写真:梶原あき、air studio

日髙 康智 (ひだか やすのり)/air studio
1974年生まれ。1994年広告写真スタジオに入社。スキルアップとともに広告写真スタジオと営業写真館、4カ所15年の経験を経て、2009年air studio設立。2014年からはJリーグ アビスパ福岡、オフィシャルカメラマン。
2010年「山王マンション再生のきろく展
2010年に山王マンションが大規模改修を行った過程を記録していただいた写真を綴ったものです。プロのカメラマンとして、山王マンションの入居者として、大きな節目をご一緒いただきました。

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