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スペースRデザイン
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新高砂マンション302号室「イタダキモノ」の扉をあけると、木枠のガラス小窓がはめ込まれた間仕切り壁がドーン。壁にぶつかると向こう側を覗きたくなるのが人の性。窓の向こうに目をやるとグリーン系統のモザイクタイルが見えてきました。

部屋の中へと足を進めるとキッチンが姿を現し、細い廊下を抜けると居室にたどり着きます。
右に目を向けると、また細い廊下がありその向こうに淡いイエローの壁。

302号室は全部で約30㎡。といっても、水回りの面積が比較的大きくとられている新高砂マンションでは、居室部分は約20㎡ほど。限られたスペースではありますが、色と壁の組み合わせ、光の具合も重なって、いつも新鮮な風景に感じます。

「イタダキモノ」をつくった宮下さんは、店舗デザインの経験が豊富なデザイナーさん。

今回初めて賃貸住居のリノベーションを手掛けました。住まい手が明確にわからない状況で、彼女がデザインの軸にしたのは「自分が住むとしたらどんな部屋がいいか」ということでした。

2004年からスタートした新高砂マンション再生事業によって、リノベーションされた部屋は2016年で39室。今回40番目の部屋を作るにあたって、これまで作られた部屋をみて、人に話をきき、辿り着いた一つの答えは、キッチンの領域を予め壁で区切ること。部屋の使い方を考えるときのガイドとなるように。彼女が新しく付け加えた部分は、この新設の壁のみ。だからタイトルが「イタダキモノ」というわけです。

新高砂マンション部屋一覧


▲リノベーション前の部屋。間仕切り上部のガラス窓を見た瞬間「これ、絶対使おう」と決めたのだそう

▲キッチンの位置を右回りに90度変更。合わせて配管も新しく繋ぎなおします。

もうひとつ意識したのが色。
店の印象に大きく関わる店内のデザインでは、大胆な色を使ったり、大きな壁一面を塗ることも多々あります。一方、日々を過ごす住まいは、なるべく落ち着いた色で統一されがち。でも色は私たちの感情に何らかの影響を与えることは時事実で、無彩色だと味気ない。
主張しすぎず、ふとした瞬間に目に入り、いいアイデアが浮かんだり、気持ちを切り替えるスイッチになったりと、生活に寄り添うような色使い。


▲緑はリラックスの色。変化のあるモザイクタイルは眺めていて飽きがきません。

▲窓がない水回りには、黄色ベースの柔らかい色を。

一通り話を聞いた後、「ちょっとまだ自信がなくて、控えめなんです」と付け加える宮下さん。
そしていつかは、大きな面に色を付けたり、ビビッドな色にも挑戦してみたいとのこと。きらりと光る眼の奥に次なる部屋のイメージが浮かんでいるようです。

梶原

部屋情報:「イタダキモノ」
スタッフ情報:宮下愛美さん


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