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スペースRデザイン
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みなさん、住宅すごろくって知ってますか?

1970年代、高度成長の好景気を背景に土地の価格上昇が続いていた時代に広まった「 アパート賃貸一人ぐらし→結婚→分譲マンションを借りる→分譲マンションを買う→分譲マンションを売却→庭付き一戸建てを買う」という住宅の住み替えモデルのことらしいです。
不動産の価格が下がらないということを前提に、当時はこれが理想とする資産形成の形だった。とのこと。

現在の日本は少子高齢化が進み、さらには人口に対して家余りの状態で、一部地域を除いては、土地の価格は下がり、建物の価格も築年数に応じて減少していくのが通常ですから、いまだとちょっと難しい住み替えモデルかもしれませんね。

一部の特殊な物件を除くと現在の日本では不動産の価値は年数と共に下がるのが当然なので、将来のことを考える人ほど、家=不動産を所有する、ということに対して漠然とした不安を感じますが、ではずっと賃貸の方がいいのか、というとそうとも言い切れないですよね。

そんなモヤモヤとした社会状況の中で、今回の星の原団地のリノベーションプロジェクトで私は多くの気づきと可能性を感じました。

今回のマガジンは私が感じたその「気づきと可能性」について書かせていただきたいと思います。

普段は賃貸物件のプロデュースを業務としている私たちですが、ご退去される人の中には「家族が増えたから(結婚したから)分譲住宅を購入して引っ越す」といわれる方も少なくありません。
それは現代の日本においては普通の流れで、現在賃貸住まいの人の大部分は「いずれ家族ができたら今より広い家へ、できれば持ち家を」と考えているのではないでしょうか。
今回の星の原団地のリノベーションプロジェクトもまさしく賃貸住まいから購入へ、という方からの購入+リノベーションの依頼でした。

一方で、広い分譲住宅は日頃の手入れや維持管理に手間や費用がかかりがちです。
例えば日頃の掃除や光熱費、不動産を所有していることによって生じる物件の管理費や税金も馬鹿になりませんね。
また、古い団地などはエレベーターが無く、歳を取ってからの生活に不自由を感じることも多いようです。
リノベーション工事中に近隣のおばあちゃんやおじいちゃんと何度か話をする機会がありましたが、やはり上記の様な不満を生活の中で感じられていました。(でも、引っ越すにしてもこれからどこに引っ越したらいいかわからない、ともいわれていました。)

ご家族が多い世帯や、趣味のスペースとして広い面積が必要な人であればまだしも、子育てを終えられたご夫婦や単身の方などは、そのまま広い分譲住宅に住みつづけることで賃貸住まいよりかえってコストがかかることがあるかもしれません。

ではどうすればいいのでしょうか。

一つの考えですが、今までのサイズの家が必要なくなった際にはその不動産物件を売却すればいいのだと思います。
もしくは貸すというのも一つの方法ですね。
そうすることによって、自分(達)には不必要に手広くなったその物件を、そのサイズの物件へ住みたいと希望しているあたらしい入居希望者へ引き継ぐことができるんです。

その後、その家を出た人は、自分や家族に合った家を再び購入するか、賃貸するかすれば不要な出費を減らすことができるはずです。(自分や家族に合った家というものがなんなのか、ということが重要なポイントですね。)

もちろんこれは一例ですが、要はその人のその時の状況に応じて、広い家がいい時、そこまで広くなくてもいい時、また賃貸がいい場合もあれば所有がいい場合もあるということです。

つまり、ライフステージに合わせて住まいの形を変えていくということです。

価値観や働き方が多様になり、住まいというものに対して描く理想も以前のように画一的ではなくなったこれからの時代の住宅すごろくは、決まった形ではなく、ひとりひとり違った形で存在するものになるのではないでしょうか。
住宅に合わせて自分のライフスタイルを変えるのか、自分のライフスタイルに合わせて住宅を変えるのか、ということです。

しかし、ここで注意が必要です。
もしどこかのタイミングで住宅を購入するのであればそこには資産形成の視点を持たなければいけません。

例えばある時点で不動産を購入し、将来、自らを取り巻く状況の変化によってその物件を売ろうと考えた時、購入金額に対して著しく販売価格が下がってしまっていると、売るに売れないという状況になり得ます。

日本の住宅は築20年まで不動産価格が下落し続け、その後横這い、もしくは緩やかに下降すると言われています。

例えば今新築の物件を購入し、それを20年経った後に売却するとなると、購入金額と売却金額は大きく乖離することが予想されます。
もちろん新しいということは悪いことではなく、そこに自分なりに価値を感じることができるのであれば新築物件の購入も正しい選択ではあると思いますが、その場合、自らのライフステージに合わせて住まいの形をかえるという選択は難しくなるかもしれません。

自分にとって理想とする住宅すごろくを歩むには、購入する物件を慎重に選ばなければいけないんですね。

そんな中で今回の団地の空き室再生プロジェクトでは、その住宅すごろくを歩むにあたって、団地がそのステップの一つとして注目されるべき点が多々あったのです。

それは何かというと、、、

「団地のオススメポイント」

①安定して安い(不動産サイトを見てみても〇〇団地とついた不動産は比較的安い金額で取引されています。)

②耐震性(多くの団地は壁式構造という工法で作られており、地震に対して比較的頑丈です。)

③公園や緑地など、ゆったりとした敷地

④(特に子育て世代に向けた)周辺施設の充実

⑤バス路線の充実

⑥(団地の規模にもよりますが)戸数が多い為、管理費や修繕積立金などの固定費が安い

ちなみにマイナスポイントもご紹介すると

①エレベーターがないので上り下りが大変
②大規模な間取り変更ができないことが多い
③地下鉄から歩いて遠い
④ほとんどが築古

といったところでしょうか。

どうでしょうか、この条件。

マイナスポイントはあるものの、独身→結婚→子育て→子供独立→・・・老後というライフステージの中の「子育て期~子供が独立するまで」の間にはもってこいの条件ではないでしょうか。

ちなみに購入金額が安ければ安いほど、景気変動や築年数によって下落する不動産価格のリスクも少なく、いずれくるであろう住み替えのタイミングの時まで資産価値を保ちやすい。
もちろん、物件購入に掛かる初期費用も少なくてすみます。
つまり、団地はある特定の時期に所有して住む不動産としてとても魅力的なんです。

住宅に対して求めることは人によって様々ですので、一概に全ての子育てファミリーにオススメ!とはならないと思いますが、一考の価値はあるのではないでしょうか。

少し長くなりましたが、今回のプロジェクトを通じて私自身が感じた、家(不動産)というものへの捉え方の変化と住宅すごろくにおける団地の魅力を少しでも感じていただけましたでしょうか。

まとめると、、、

①不動産(自らが住む家)は自らのライフステージに応じて、買ったり、売ったり、借りたり、貸したりする時代になる(のではないか)
②不動産購入において資産形成の視点を大事にするべき
③団地は人生のあるステージにおいて、所有して住む不動産としてとても魅力的

こんなところでしょうか。

色々書きましたが、一番大切なのは「自分自身に合った住まいはどんなかたちだろうか」と自分自身で考えてみることなんだと思います。
みなさんもぜひ一度自分の今後の人生に不動産というものをくっつけて考えてみてください。

最後になりましたが、団地に住みたい、または自らが所有する団地の一室を次の入居希望者へ受け渡したいという方、スペースRデザインではそのお手伝いさせていただいております。
もしご希望の方がいればどうぞ気軽にお声がけください。


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