今、福岡市は起業やスタートアップに関して非常に注目を集めている。
最近では、今年9月に3000名超を動員したテクノロジーとクリエイティブの祭典「明星和楽」にて、高島市長が「スタートアップ都市・ふくおか」宣言をしたことは記憶に新しい。
他にも、地場の経営者や中小企業診断士等の専門家約60人からなる福岡市創業者応援団による「福岡市創業者応援ファンド」も同じく9月に発足した。
また、ドーガン・アドバイザーズが九州の起業家支援を目的に、地場企業と協同で設立した「九州アントレプレナークラブ “OnRAMP”」という起業家向けの会員制サロンも11月に開設された。
このようにこれから起業に関して目が離せない福岡で、また1つ新しい動きが生まれそうだ。
「ビジネス書にはのってない起業家のリアル」をテーマにしたトークイベント、「起業家リアルBOOK」が去る12月7日に開催され、今福岡市でもっとも旬な起業家が登場した。
ゲストは福岡市主催のビジネスプランコンテストで最優秀賞を受賞した2者、グルー株式会社代表取締役の迫田孝太氏と株式会社スペースRデザイン代表取締役の吉原勝己氏。
一般的なセミナーではいわゆる成功例が取り上げられるが、このイベントでは失敗や本音にフォーカスしている。メインとなるゲスト同士のトークセッションでは「失敗BEST3」から始まり、初期段階の顧客づくり、ピンチを救ってくれたもの、一緒にやる仲間づくり、など盛りだくさんの内容だった。
参加者は初期段階の起業家や経営者、起業支援機関が半分と、残りは起業に関心のある社会人という構成で、年代も業界も様々でゲストのリアルトークを熱心に聞き入っていた様子が多く見受けられた。この中から次に福岡をリードしていくような起業家が生まれてくることを期待したい。
開催の背景
起業という選択肢が必要以上にハードルを高く感じさせているため、起業家の生の声や失敗談を聞く機会をつくり、起業にチャレンジする人を増やすことで地域経済の活性化につなげることを目的としている。
そして、この天神パークビルは福岡市の創業者応援型賃貸施設にも登録されており、またステップアップオフィスという初期段階の起業家向けオフィスも用意している。
さらに、このような場を開くことで自然と起業家同士や将来の起業家、起業支援機関のネットワークが広がっていき、起業しやすい土壌づくりにつながればと考えている。
イベントの様子
ゲストのプレゼンテーションから始まり、それを受けて参加者同士でのグループトーク、そしてゲスト同士のトークセッションという流れで行われた。
プレゼン写真
まずは2人のゲストの自己紹介と事業のプレゼンから始まる。福岡市主催のビジネスプランコンテストで最優秀を受賞した2者の貴重なプレゼンを聴く機会となった。
グループトーク写真
グループに分かれて「起業で不安に思うこと、失敗しそうなこと、もしくは失敗した経験の話」について話してもらったが、参加者の属性によって多様な意見に分かれていた。
業界はまったく異なるがやはり共通項が多く、ゲスト同士の掛け合いはかなりリアルな内容で参加者にとっても親しみを覚えるものだった。
振り返りと今後
今回は福岡市主催のビジネスプランコンテストで2者が最優秀賞を取ったタイミングでの開催だったのでダブルゲストになったが、内容がとても濃く有意義であるため時間が足りなくなったという課題は悩ましい。しかし、同時に異分野同士の起業家によるトークセッションでの意外な共通点など、新たな発見もあった。
今後、この場が未来の起業家を育んでいくような場になるように行政や起業支援機関とも連携しながら継続的に開催していきたい。
イベント概要
日時 | 2012年12月7日(金) 19:30~22:00 |
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会場 | 福岡市中央区大名2-8-18 天神パークビル会議室 |
参加費 | 1,500円 |
定員 | 30名 |
主催 | 起業家リアルBOOKプロジェクト |
協力 | 吉原住宅有限会社 |
企画 | 起業家リアルBOOKプロジェクト 企画コーディネーター 下野弘樹 |
お問い合わせ先
吉原住宅有限会社 / 株式会社スペースRデザイン
- Tel:092-721-5530
- FAX:092-721-5690
- Mail:yj@tenjinpark.com
- 受付時間:9:00~18:00(日祝を除く)