いまだ古いビルが残る、博多部エリア。夏の博多祇園山笠の時期はもちろん、年中を通して、古い街並みや神社仏閣を散策する、国内外の観光客で賑わっています。
▲福岡市の総鎮守”お櫛田様”
外も中も。繋いでいくために変わり続ける。
その博多の文化が色濃く根づくエリアに建つふかみビルは、昭和36(1961)年竣工。周辺の建物のなかでも、比較的築年数が上のビルになるのではないでしょうか。築古ではありますが、明るいベージュの外壁タイルで、とてもすっきりとした印象をうけます。
(真ん中の3階建ての建物がふかみビル)
それもそのはず。大家さんは週に1度、共用部清掃でビルを訪れ、ご自身の目でビルの状態をしっかりとチェックされているのです。もともと、大学の材料工学科の教授をされていたこともあり、外壁補修や屋上防水など、メンテナンス工事を計画的に実施。明治時代よりも、もっと以前から続いているという先祖代々の土地や建物を維持し、次の世代へと引き継ぐために、尽力されています。
ご自身で清掃をされるのには「入居者さんと会話をする機会になる」という理由もあるそう。「実際に使用している入居者さんのリアルな声をきき、管理や環境の維持に活かす」ことともう一つ、「若い人から刺激をもらえる」。そうやって、ふかみビルは時代とともに変化し続けているのですね。
素材や光を活かして、快適なオフィスをつくる。
そんな中、今回3階のワンフロアを2区画に区切り、ラウンジ付きのオフィスとしてリノベーションすることに。設計デザインは、現在のテナントさんからの繋がりで出会われた「yHa architects」さん。
▲ふかみビル3A区画BEFORE
▲AFTER。南東側より、エントランス側を臨む。
周辺に高い建物がないこともあり、光がしっかり差し込むふかみビルの環境を活かし、プランや素材を工夫した、リノベーションオフィスへとアップデート。
地下鉄やバスへのアクセスもよく、働く場所としてはとても便利。冷泉公園や櫛田神社などのリフレッシュスポットも充実しています。そして、実は飾り山笠が追い山のときに目の前を走るという、博多感もあふれるシゴトバが誕生しました。
ふかみビル概要
項目 | 内容 |
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所在地 | 福岡県福岡市博多区冷泉町8-18 |
交通 |
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構造 | 鉄筋コンクリート造3階建て |
築造年月 | 昭和36(1961)年8月 |
総区画数 | 4戸 |
建物設備 |
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