こんにちわ。気が付けば10月も後半戦、皆さまいかがお過ごしでしょうか~?
さて前回の企画編に引き続き、今回はデザイン編と題してリノべをデザインする上でのアレコレを書かせていただきます。
今回のプロジェクトの舞台となる五反田ハイツは1982年竣工(築33年)の鉄筋コンクリート造の賃貸住宅です。公団や公営住宅によく見られるフラット型中層住棟タイプです。
室内も同様、団地っ子(私は根っからの団地っ子です)には萌える仕様になっています。
少し余談ですが、五反田ハイツはエレベーターはありません。3階、4階きついな~と思われる方少なくないと思いますがご安心を!
通常のエレベーターが付いている階段より一段一段の高さが低く上がりやすい階段になってます。なので思っている程きつくありません!
私の自宅も団地の5階エレベーター無ですが、家族で住んでいますが慣れてしまえば何とも気にならないものです!
今回のリノベーションではこれまで那珂川町にリノベーション物件と言えるお部屋が見当たらなかったことから、あまり尖らずにシンプルでナチュラル系素材を使ったスタンダードなデザインをすることを心掛けています。
その上で大切にしたことは
・五反田ハイツの「らしさ」を引き出すこと
・那珂川町の魅力を加えること
・オーナーの想いを加えること
・入居者さんにとって暮らしやすく、愛着が湧く住まいをつくること
つまり、この五反田ハイツだからこその住まいのあり方、建物のあり方を生み出すことを目指しています。
前置きはこれぐらいにして、実際のお部屋をレポートしますね。
間取りは3DKから2LDKに。生活のメインスペースとなるリビングスペースを広くすることで今の生活に少しだけ合わせる間取りにしています。
その他は特に間取りをいじらなくても、そもそもが使いやすい間取りなのでそのままにしています。
玄関ドアを開けるとこんな感じ。
玄関と廊下の壁面は壁紙を剥がしコンクリートの素地を出すことで、素材の持つ風合いや職人さんの手仕事を見ることができます。またリノベーション特有の空気感をコンクリートの素材を出すことで引き出しています。
床はPタイル。プラスチック系の床材で丈夫に作られているので、長く使えて使い込むごとに味わいも増します。60年前から使われているロングライフ建材です。色合いはベージュとしプラスティックの硬いイメージを色合いでソフトにすることでバランスを取っています。
洗面と廊下を仕切るカーテンはリノべのテーマに合わせた柄の北欧ファブリックをチョイス。406号室は那珂川町を囲む山々をイメージして、1952年にデザインされ復刻されたマリメッコの「FARUK」を、どちらも長く愛されてきたファブリックです。団地のような普遍性のある空間にはとても相性がいいですね!305号室は筑紫耶馬溪をイメージして、建築家アルヴァ・アアルトが1954年にデザインした「SIENA」。
↑写真305号室
浴室の床はダントーのモザイクタイル。こちらも歴史ある建材。とても足ざわりのいいタイルです。
トイレはもちろん洗浄便座、モニター付きインターフォンやリビングにはエアコンを設備品として入れています。
リビングと廊下を間仕切るガラス格子の引違戸。レトロな型板ガラスがいい感じですね。
LDKの床は北欧パインの無垢フローリングをチョイス。その無垢フローリングにドイツの自然塗料リボスを、HA・RI☆KI・RI大家こと五反田ハイツのオーナー中西さんと一緒に塗装しました。直に接する床だからこそ、オーナーさんの住まい手への想いを注入するのにとてもいい作業だと思っています。
壁面は白いクロス壁、枠や廻り縁は竣工時に塗られていたアイボリーを再現して塗り直し、当時の面影を残したナチュラルスタンダードな空間に仕上がっています。
リビングの壁の一部を取り払い、コンクリートの躯体を表しました。そこに那珂川町の魅力もモチーフにしたパターンを描き、魅力を加えました。
和室は建てられた当時のまま、畳を表替えし、縁は畳のグリーンと同色の無地モノにしました。時間が経つごとに黄金色に変化した具合が色の差でわかるという、時間の経過が感じられるちょっとした遊びも加えていたりします。
バルコニーから覗く光景は那珂川町の都心部が一望でき、タイミング良ければ飛行機と新幹線が同時に見えることもあったりするんです!
まだまだ伝えたいことはございますが、長くなりましたのでこのあたりで(笑)
次回は、「まちなみ編」を書きますね!
■五反田ハイツお部屋募集情報
●305号室「Valley Summer」
●406号室「Mountain Summer」
■那珂川町の魅力を発掘・発信するプロジェクト
Facebookページ:Nakagawa Life Fant!
キタザキ