地域商社「八女流」さんが運営されている「星野製材所」の見学ツアーに参加させていただきました。
DIYリノベWEEKの仲間である中島 宏典さん(NPO法人 八女空き家再生スイッチ)より、八女流の「循環型林業モデル」という取り組みを伺ってから、ずっと見てみたいと思っていた星野製材所。
また、八女流の床材をリノベーションでも使わせていただくことがあり(カメリア小笹106号室「again」)、その製造過程を知ることができる!ということで伊藤、吉村、新野の3人で見学させていただきました。
福岡県下最大の森林面積を持つ八女市。江戸時代から続く歴史ある林業地です。
八女流は、循環型林業モデルの構築を目指し2016年に設立されました。廃業が予定されていた「星野製材所」を取得。八女の杉による内装材の独自ブランドを開発し、木材の新たな流通網を開拓されています。また、林業体験イベントの企画など、森に親しみを持ってもらう活動も行っている会社さんです。
それでは、見学させていただいた床材の製材工程と、八女流 代表取締役 沖さんによるレクチャーをレポートします。
ご案内いただいた沖さん。市場から仕入れた木材の前でツアーがはじまりました。
一般的には、直径の細い木の方が市場価格が高く、太く成長した木は市場価格が低いそうです。理由は細い方が構造材(柱材など)への加工がしやすいため。
そこで、八女流ではあえて時間をかけて育てて太く成長した木を仕入れています。それらを単価の高い内装用仕上げ材として製品化することで、価格の安い大径木の価値向上につなげる取り組みです。広くいろんな人の目に触れる形で木の価値を発信することで、木を大切に育てている山主さんの手元へより利益が還元できるようにする仕組みづくりの一つです。
完成(床材)これは厚さ35mmのもの。足ざわりがとても気持ち良い。
他にも、
八女は研究熱心な山主さんが多かったので、今では30種類くらい、多様な山になっていること
山主さんは、森林組合へ年間計画を提出して、それをもとに木の伐採をおこなっていること
日本とアメリカだと、伐採の手間が大きく違うこと(アメリカは平地に木が植えられている、日本は急斜面)
などなど、普段触れることのできない情報を教えていただきました。
八女流のみなさんは、山主さん、森林組合、職人さん、売り手さん、八女のひとたちなど、木材に関わる全ての人が幸せに、かつ持続的に八女の地域産業を営める仕組みを作っていました。
古くから続く伝統的な産業構造の中で、現代に合わせて仕組みをデザインし、その仕組みを育てていくことは、きっと容易ではなく、いろんな人との協働と多くの時間が必要なのだろうと思いますが、
沖さんは、まだこれからもいっぱいやらないといけないことがあるんです、と楽しそうにお話しされていました。
製材所見学も不定期に開催されていくそうなので、
のどかな八女のまちで熱く活動されている八女流のみなさんに会いに、ぜひ訪れてみてください。
八女流のみなさま、丁寧にご案内いただき本当にありがとうございました。
スペースRデザイン 新野
■八女流
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■DIYリノベWEEK2020 八女流の取り組みについての説明トーク(中島 宏典さん)