この春、関西大学大学院の講義「都市および地域再生特論」にて、弊社代表の吉原が講師を務めさせていただくことになりました。

この講義は、住環境学をテーマに研究されている関西大学の岡絵里子教授が担当されています。昨年に引き続き、貴重な登壇の機会をいただきました。
講義の構成:賃貸と分譲、2つの視点から迫る
本講義は全14回にわたり、ストック活用社会を進めていくための理解を深めることを目的としています。構成は大きく2つに分かれています。
- 前半:弊社代表・吉原による「賃貸住宅」のレクチャ
- 後半:合資会社ゼンクリエイトの根津氏による「分譲住宅」のレクチャー
昨年は不動産再生の事例紹介が中心でしたが、今回はより基礎的な「賃貸とは何か」というテーマに焦点を当てて組み立てています。

第1回講義:広報チームによるプレゼンテーション
初回の講義では、弊社の広報チーム(箱田・井上)が、それぞれの視点から約20分間のお話をさせていただきました。
1. 家守(やもり)の歴史(担当:井上)
「家守」とは、江戸時代の高密度な長屋において、建物の維持管理や賃料徴収、さらには行政の末端的な役割までを担っていた「管理人のルーツ」ともいえる存在です。
現代の賃貸管理にも通じるこの仕組みに対し、質問タイムでは「家守はどういう人物が担っていたのか」「現代の官民連携のヒントになるのではないか」といった、鋭く興味深い意見が飛び交いました。

2. 住むなら「賃貸」か「持ち家」か(担当:箱田)
自身の体験も交えながら、永遠のテーマである「賃貸vs持ち家」について問いかけました。
「人生のゴールは持ち家」という固定観念に縛られるのではなく、ライフステージや目的に応じて柔軟に選択する意識の大切さをお伝えしました。
不動産は個人の所有物であると同時に、街の風景やコミュニティを形作る「公共性」も持ち合わせています。「いつかは誰かに託す(相続・売却)もの」という長期的な視点を持つことの大切さを、学生の皆さんにお話しさせていただきました。

学生たちのリアルな声:多様な価値観と発見
講義の後半では、吉原によるデータ解説や賃貸の立ち位置に関するレクチャーを経て、「賃貸か持ち家か」をテーマにグループワークを行いました。
ワークでは多様な価値観が飛び交いました。受講生の方々の意見を一部ご紹介します。
- 「自分の理想を形にした家を設計したいので、持ち家がいい」
- 「相続や維持管理の手間を考えると、身軽な賃貸が魅力的」
- 「私物が多いので、広さを確保しやすい持ち家を選びたい」
また、中国出身の受講生からは「中国では家を持って一人前という考えが強い」といった文化的な背景も共有され、日本との価値観の違いを知る非常に有意義な機会となりました。

おわりに
実家が持ち家だった私自身、学生時代は「賃貸」という選択肢について深く考えることはありませんでした。当たり前だと思っている環境に問いを持ち、視野を広げることで、新しい発見が生まれます。
今後も広報・学術としての活動を通じ、皆さんに様々な視点を提供できるよう、一層励んでまいります。

