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スペースRデザイン
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エリアのブランディング

5月23日に、地域ブランドづくり勉強会を開催しました。
地域における課題や解決策、アイデアなどをシェアする勉強会です。

今回は、舞台を桜坂~谷・六本松に絞り、エリアブランディングのレクチャーとフィールドワークを行いました。まず、レクチャーを担当したのは不動産アーティスト貞国秀幸氏です。

エリアブランディングのレクチャー

不動産アーティスト貞国秀幸氏からレクチャー

まず、語られたのは、「エリアをブランディングのためには、しっかりとデザインを持ち込む」こと。例えば、貞国氏の手がける「ibb Db桜坂ランチ」では、ロゴを一つデザインするにも、桜坂というまちを連想させるようデザイン案を考えたそうです。

重要なのは「まちをどう切り取るか」という点です。通り(=ストリート)一つに注目するにしろ、あるパーツを万遍なく取り上げるのではなく、特性づけをできる視点で切り取ること。谷というまちの例では、残っているレトロな趣を持つビルに注目です。現時点では古いビルですが、クリエイティブに活用され始めると一気に、通りが色づく。その「未来」を紹介する目線も面白いのではということでした。

そして、写真の撮り方にもその視点が反映されます。全体をとるのではなく象徴する点をとること。

フィールドワークで出合った古いアパート

これは貞国氏が実際にフィールドワーク中に、古いアパートを撮影したものです。

何を伝えたいか、まずそれをしっかりと理解する必要がありそうですね。

さらに最も重要視していたのは、「ヒト」です。エリアを知るためには、「ヒト」に出会わなければなりません。

そして、その動きを「イベント」「広報物」など、同じ文脈を持ったデザインで形にすることで、エリアのブランディングが進んでいくとのことでした。

「ヒト」と繋がる

まちの姿が見えてくる

レクチャーのあとには、桜坂山ノ手荘管理人牛島の案内のもと、フィールドワークに出発です。

フィールドワーク

まず、地下鉄桜坂駅そばの古アパートの活用事例を見学。桜坂地区にはいくつか古アパートをアトリエやショップとして運用している例があり、エリア特徴の一つとなっています。古い建物を活用することで、古さや個性を良しとする感性の持ち主が集まるため、文化度の高い個人が活躍できる一因となっています。

フィールドワーク

そこから桜坂2丁目の住宅街に入り込み、地域の歴史を語りました。「桜坂では城南線の北側には家老を始めとする上級武士たちが江戸時代から居を構えていて・・」など。現在でも大きなお屋敷がたくさんある理由が見え、歴史が積み重なったまちという目線が持てます。

すると、昔ながらの掲示板など、ノスタルジックなパーツも見えてくる。それまでの高級住宅街(桜坂は福岡市の山手地区と呼ばれています)イメージに捉われない、まちの姿が見えてくるのです。このイメージを解体して再構築する工程もフィールドワークの重要な要素となります。

フィールドワーク

そこから警固近くの、創業100年のはんこ屋「小金丸彫刻工業」の工場にお邪魔しました。休業日で中の見学はできませんでしたが、桜坂山ノ手荘の表札をサプライズプレゼントしてくださり、盛り上がりのポイントでした。

フィールドワーク

ストーリーを紡ぐ

桜坂の名称の理由となった(と言われる)桜ヶ峰神社へ。

この神社の元となったお堂周辺に桜の木が多くあったことという説があります。エリアのストーリーを紡いでいくことがエリアブランディングには重要で、名称理由はその最たるものです。雰囲気と気温も変わり中央区らしからぬ緑が溢れる場所です。

桜ヶ峰神社

桜ヶ峰神社

それから六本松にほど近い「アトリエてらた」にお話を聞きに伺いました。

ここは故 寺田健一郎画伯の住居兼アトリエだった場所をカフェとして改装した場所。当時の姿を残しているところもあり、アートの色に包まれた特別な空間になっています。

アトリエてらた

ご自身もアーティストであり現在カフェを運営されている故 寺田健一郎画伯の息子さんにお話をお伺いしました。幼少期をこの地域で過ごした方から語られる、今と昔。感性豊かな視点を持つ瀬下さんによって語られる言葉が、まさにまちの歩みと現在に姿を強烈に浮かび上がらせるものでした。

特に面白かったのは、アートな空間でありながら、PTAなどの寄り合いの場所となっているエピソードです。ただ優れた場所というわけでなく、まちの人にとっての思い出をしっかりと受け継ぎながら今に継ぐ在り方が、本当に意味でまちに重要な姿なのかもしれません。

その後は桜坂に戻り、ステンドグラスアトリエ「A's glass studio」へ。

福岡市中央区大名から桜坂に移転してきたアトリエです。お話の主題は「なぜ桜坂に移転したのか」ということです。

A's glass studio

お聞きすると、やはり「桜坂」が持つ上品なイメージ、ある種のブランドに惹かれて移転したとのことでした。

そして、以降、アトリエを紹介した時の反応が変化したこと。それが客層の良い変化までつながったことをお聞きしました。

このエピソードによって、桜坂地域が既にある種のブランドを獲得していることがわかります。このまちの地域ブランドを構築していくことは、既存のブランドイメージを踏襲しながら、バージョンアップを行っていく必要があるとわかりました。

まちの魅力「ヒト」「コト」

桜坂山ノ手荘に戻り、振り返りの時間です。フィールドワーク中に撮影した写真を見ながら、参加者それぞれの観点から見えたエリアイメージを共有します。

振り返り

アウトプット

高級住宅だけでなく、掲示板など古くからのコミュニティがあること。大きな木々がある家の多さからわかる、築年数の古い歴史ある家々が多いこと。子ども遊び場になりそうな冒険心をくすぐる場所であること。などなど。

多様な目線を共有することで、まちの見え方が変わってきたところで会は終了です。桜坂に限らず、六本松、谷というエリアを一つのまちと捉え、参加者のみなさんからいただいたエリアイメージを元に、再構築、アウトプットを行っていきます。

そして、桜坂山ノ手荘魅力となっていく意味も改めて確認することができました。

まちをいいなと思う人が輝ける場所となる。そしてまちを訪れた人たちと、まちの魅力的な「ヒト」「コト」を結び付けるカジュアルな場所になる。

今回は、その第一歩となりました。その歩みにぜひ加わってみたいという人も募集しています。
今後の動きにご期待ください!!

株式会社スペースRデザイン 牛島


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