これまでシゴトバプロデュースや仲介をさせていただいたオフィスやアトリエの印象的なお部屋たちをちょこちょこご紹介させていただこうという不定期のインタビュー企画。
今回は桜坂山ノ手荘の入居者さん、インテリア・空間デザインナー・江上功さん/ands design studioのアトリエをご紹介します。
▲桜坂山ノ手荘。地下鉄「桜坂」駅から徒歩3分程のところにある2階建ての木造アパート
江上さんのアトリエは地下鉄桜坂駅すぐそばの桜坂山ノ手荘の2階、通称「踊り場オフィス」。
その名の通り、もとは踊り場であったところを囲ってアトリエにしています。というのも、江上さんからお問い合わせを頂いたとき、桜坂山ノ手荘に空きがなく、そこで踊り場オフィスを提案させていただいたのです。
踊り場を提案されたとき、驚きませんでしたか?と江上さんにお聞きすると
「あ、踊り場でもいいんだな、おもしろそうって思いました」
と爽やかに笑って答えてくださいました。
▲踊り場の頃の写真
考えてみれば、そのときは踊り場でも囲ってしまえば立派なアトリエ。
インテリアや空間デザインの仕事をされている江上さんは
この状況さえもご自身のお仕事の一部として取り込まれたようです
江上さんは2011年に独立、当時の仕事場はご自宅のなか。
そんな環境から一転、仕事関係での来訪者や一緒に暮らしている方への配慮から、「生活と仕事場は切り離したほうがいいのでは」と考え、アトリエを探して桜坂山ノ手荘に行き着いたのだそう。
物件を探す際にこだわったことをお聞きすると「自宅から歩いていける圏内であること。散歩をする感覚で出かけるとアトリエに着いていたというような感じの場所がよかったんです」。空間的には生活の場から切り離しつつも、暮らしとしては連続しているほうがいい。生活の延長線上にあるような場所が江上さんの求めるアトリエ像でした。
オフィスに入ると、とてもシンプルな室内。桜坂山ノ手荘を見たときにとても印象的だったという梁を活かし、光の入り方や風の通り方が部屋のレイアウトを考えるうえでの軸になっているそう。
ご自身がより自然体に近いかたちで過ごせる場所、気張らずに自由に可変性のあるオフィスとしてコーディネートをされていました。
ご自身のWebサイトでも紹介していただいています
ands design studio
▲アトリエの入り口正面。梁と本棚が伸びる先が窓に集まるような配置
ここで、取材後のこぼれ話をひとつ
桜坂山ノ手荘の管理人であり冷泉荘不動産スタッフの牛島
名前を「光(ひかる)」というのですが
これも江上さんが光をテーマにしようと思い至ったきっかけのひとつなんだとか
江上さんの発想の自由さがとてもよく伝わるエピソードでした
▲収納と棚が一体化しており、デスクの上はパソコンだけでとてもシンプル
入り口の壁はワークショップ形式で参加者を募り、みんなで黒板塗料を塗りました。
扉は閉じていても外とのコミュニケーションツールが欲しいと考え、一緒にイベント企画をさせていただきました。
▲ワークショップの様子
▲アトリエ入り口
とても自然体で、江上さんの身体の延長線上のような空間がとても心地よいオフィスでした。
梶原
Photo by KENGO KOGA©
ISAO EGAMI
interior designer
インテリアデザインを軸足に、様々な空間のデザインに携わっています。様々なものごとが、できるだけ軽やかに、且つ、面白くなっていったらいいな、と思っています。そして、折々のValueへと連なっていければ、と考えています。それらをデザインの過程や、その編集、考えることを活かして具現化していければ、と感じています。ものがたりのあるものが好みです。
1983 福岡県浮羽郡(現久留米市)田主丸町 生まれ
2001~2005 長崎大学工学部 構造工学科
2005~2007 福岡デザイン専門学校 環境デザイン科
2007~2011.07 有限会社 福山秀親計画機構 勤務
2011.08~ 現在 ands design studio 代表