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スペースRデザイン
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月に1度、鹿児島から来ていただいているコントリビュート社員(※)の須部貴之氏(すべ産業有限会社)が、このたび「株式会社KISYABAREE」を設立。7月24日、鹿児島市で開催された設立記念セミナーを聴講させていただきました。
オーナーズエージェント㈱藤澤雅義氏と、弊社代表の吉原が登壇。「社会課題を解決するこれからの不動産賃貸経営と地域マネジメント」をテーマに講演が行われました。須部さんによる演出で、講演者の登場シーンからエンターテーメントショーに!新しい形のセミナーでした。映像はこちらからご覧いただけます

講演終了後は、参加者からの質問タイム。鹿児島県の不動産会社の方や大分から来られた方などから、自分たちの仕事やまちの課題解決について積極的に質問が飛び交いました。

セミナー後半は、野崎恭平氏(株式会社むすひ)によるグループワークが行われました。野崎さんから与えられる「鹿児島のまちと不動産の未来」に関する問いについて考えてグル-プ内で発表し合うというものです。
印象的だったのは、当日はじめて会った参加者の方々が、お互いの年齢や立場を超えて活発なコミュニケーションができたこと。野崎さんの場づくりの技術と、参加者の方々の問題意識の高さが、当日の議論の深まりに繋がったのだと思います。鹿児島で賃貸ビル所有のオーナーさんは「今日の話を聞いて、自分の物件でもなにかやり始めてみようと思った」と言われていました。
鹿児島の不動産とまちの未来。考え出すきっかけになる場だったと感じます。

そして鹿児島2日目。私たちは南九州市頴娃町へ。
NPO法人頴娃おこそ会の加藤潤さん案内のもと、観光と商店街の活性化を結び付け、さらにその活動が遊休不動産活用につながっている事例を見学させていただきました。


番所鼻公園にて

頴娃町の持つ力に魅了されました。
海と、山と、そこで暮らす人。
以前、加藤さんの講演で頴娃町のお話しを聞かせてもらっていましたが、実際に現地で景色や物件を見ると、その空気感や関わった人たちの想いや背景が伝わってきて、はじめて見たのに愛着を感じる、不思議な気持ちになりました。また来ます。

◎番所鼻公園


鳴らす回数によって祈願の種類が変わる「幸せの鐘」。行政とおこそ会の連携で作られました。(DIYもされたそうです!)今では観光スポットとなっています。

◎いせえび荘

タツノオトシゴハウスのオーナーさんが経営。このみんなのデッキも、行政といせえび荘さんの連携で成り立っています。木漏れ日が気持ち良い場所でした。お休みの中、1階を見学させていただきました。ありがとうございます。

◎タツノオトシゴハウス

ここが加藤さんご家族が運営する日本唯一のタツノオトシゴ養殖&体験施設。某自動車メーカーのCM撮影にも使われたそう。加藤さんは頴娃出身ではなく、弟さんがタツノオトシゴの養殖を始めることになり、一緒に移住を決意。観光業に携わり始め、頴娃のまちに人を呼ぶことが観光業を活性化させる、という想いのもと、番所鼻公園・いせえび荘・タツノオトシゴハウスを拠点に、活動を始められました。(この3つは歩いて5分ほどの距離)

今では、観光地として認知度が高まりつつある頴娃町。加藤さんは活動の場を石垣商店街に広げています。

◎石垣商店街

石垣商店街は、海運が主流だった時代には大いに賑わい最盛期には100を超える店舗が軒を連ねた古き良き港町。昨今では店舗は10軒以下にまで減少したものの、当時の建物が残り懐かしい面影を残しています。

◎塩や、

「塩や、」は2014年9月、加藤さんたちが初めて商店街の空き家再生に取り組んだ場所です。元々は塩の問屋さんでしたが、現在は地域の方の交流拠点として活用されています。鹿児島の大学の研究室と一緒にアイディアを出し合い再生しました。内装に廃材を再利用して使うなど、実験的な取り組みも。裏庭には地元の方の発案で整備された井戸もあります。

◎福のや、

頴娃町に移住した女性が運営するゲストハウス。観光業界で働いていた経験があり、頴娃でどんな仕事をするか考えたときに、ゲストハウスが思い浮かんだそうです。そこで、加藤さんが空き家を探し、オーナーと交渉し、実現しました。
実は以前、ほど近い別の物件を借りてゲストハウスを運営していたのですが、オーナーの事情があり、運営をやめることに。「福のや、」は2つ目の物件。以前のゲストハウスのファンがいて、なんとその方にもDIYに参加してもらい改装したそうです。頴娃で生まれる人の繋がりにびっくりしました。これまで宿泊した人の歴史が積み重なり、ほっとする心地よい空間でした。

◎ふたつや、

1件借りたら、敷地内にもう1件建っていた、ということから名付けられた「ふたつや、」。1件はシェアオフィスで、もう1件はゲストハウス。ここも、地元の人たちとDIYで内装を作りました。あたたかみのある仕上がりが印象的でした。

路地も魅力の一つとなっていました。車が通れない細い道。かつては、物流に使われていました。この道はどこにつながっているんだろう?と先に進みたくなる道。時間の関係で行くことができなかったのが本当に残念です。

紹介してもらった物件は、どれも顔の見える人によるDIYで完成されていました。
加藤さんのお話しから、空き家の再生に必要なのは、
大家さん、物件の使い手、大家さんと使い手をつなぐ人(ここでは加藤さん)、電気工事ができる人、DIYできる人。
完璧な納まりを求めるとDIYでは難しいこともありますが、DIY仕上げならではのあたたかみと、DIYを行う過程で生まれる物件への愛着とコミュニティが、物件の再生においてとても大切だと思います。

 
「田舎での生活は一つの仕事ではなく、いくつかの仕事をして成り立っている。意識的に副業をするということではなく、自分がしたい暮らし方をするために、自然にそうなっている気がする。」(加藤さん)
 

例えば、「福のや、」を運営する方は、ゲストハウスが稼働していない日は別の場所へ野菜販売に行ったり、ゲストハウスで野菜の料理を作って販売したりしているそうです。

仕事がある場所で生活するのが、住む場所を選ぶ上でこれまでの当たり前の感覚と思いますが、
頴娃町に移住した人は、
自分のしたい暮らしを実現するため
一緒に過ごしたい人がいる場所(まち)で生活するため
頴娃町での仕事を生み出していると感じました。
そのためには地域の人とのつながりが必要で、まちとのつながり、地域コミュニティが自然にできていく。

頴娃町の空き家再生、まちづくりの視察を通して、
地方での遊休不動産の活用について学ぶことができ、またこれからの暮らし方、生き方について考えるきっかけを得ました。
そして、柔軟な発想、あたたかさ、人と人のつながりを作る力を持つ、加藤さんの人柄に感動。
鹿児島のみなさん、本当にありがとうございました。

スペースRデザイン 新野


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