こんにちは、なかじょうです。
先日神戸市の廃墟村に行ってきたので、ご紹介します。
神戸にあるバイソン(梅元町の村)をご存じでしょうか。斜面地の細い路地に並ぶ廃屋を9軒再生させた村があります。道が細く重機を入れることが出来ない為、ほとんど人力で再生させたとの事です。再生に使う材料も特徴的で、解体現場やモデルルームから出た廃材を使っているとの事でした。今回はそのような特殊な再生方法を視察するために神戸に伺いました。
バイソンを作られたのは合同会社廃屋の方々です。合同会社廃屋は神戸市で活動する廃屋を取り扱う不動産会社兼建築集団です。様々な年齢や国籍のメンバーで構成されており、社員はほとんどおらずメンバーは本業の傍ら廃屋再生の活動をしています。
いくつかの物件を見させていただきたので、ご紹介します。
一つ目に紹介するのが「バラックリン」という村です。村全体をインスタレーションとしてとらえているとの事でした。一般的な再生とは異なり、あまり手を加えず、朽ちた状態をそのまま活かしている印象でした。仏壇を並べ祭壇を作り祭壇バーをしたり、ライブをしたりとイベントスペースとしての活用もされています。仏壇が並んでいたり、霊園があったりととても刺激的な空間でした。
二つ目に紹介するのが「バイソン」です。こちらは冒頭でお伝えした通り、再生させた元廃屋が9軒並ぶ村です。年齢や国籍を問わず人が集まり、住んだり働いたりする場となっており、ギャラリーやシェアハウス、事務所があります。また事務所には売店があり、地域の人が気軽に立ち寄れる交流の場となっていました。ほとんどが廃材を使っており、入手できたものによってデザインが決まるとの事で、とても個性的なデザインのものが多かったです。雨樋だった銅板を細かく切り装飾したり、モルタルを投げつけ岩のようなデザインにしたり、ステンレスのかごにオーブントースターの扉をつけポストたりと、遊び心があり面白いデザインばかりでした。
三つ目に紹介するのは元警察女子寮の「旭寮」です。こちらはこれから再生させる予定の物件で、レトロなタイルや照明が特徴的なかわいらしい建物です。斜面ということもあり、屋上に上ると神戸市全体が見渡せ、とても良い景色でした。建物の用途は住宅とスタジオとして貸し出すとの事でした。今後の変化が楽しみですね。気になる方はぜひ一度現地に運んでみてください。
とても刺激的な視察でした。ボロボロの廃屋を何棟も再生させるバイタリティや、工夫をしながら廃材の魅力を引き出すモノづくりを楽しむ姿勢に感動しました。今後リンベーションをする際には、どうすれば既存の物を再利用できるかを考えながら行っていきたいと思います。
なかじょう