きれいなまち、整っているまちって。
「シーサイドももち」や「アイランドシティー照葉のまち」ような都市開発、整備を目的として計画的につくられた街は、生活に必要な商業施設、病院、銀行などがあり、道路や公園も充実しています。また、コミュニティーやセキュリティーも充実していて安心かつ快適な生活ができます。きれいなまち、整っているまちとは、計画的に一から創り上げられた理想的なまちをイメージされる方が多いかもしれません。
一方、自然に生まれたまち、つまり長い時間をかけて少しずつ建物が建ち、人が少しずつ増えていく。古い建物もあれば新しい建物もある。形や色、高さの異なるビルや主張しあって喧嘩している看板、露出した電線や配管。私は以前こんな統一感のない街の風景をみて、「なんて統一感のないごちゃごちゃしたものになってしまったんだろう」「整えたほうがいい」と思っていましたし、みなさんもきれいなまち、整っているまちとは言い難いと思います。
ある外国人の方がテレビか雑誌で言ってました。「このごちゃごちゃした街の雰囲気はとても日本的でおもしろい」。また松本大洋さんの「鉄コン筋クリ―ト」はそんなごチャついた街並を独特のタッチで描くことで作品の魅力を引き立てています。私もその言葉や作品に出会い、まちの見方が変わりました。
後者のようなまちが『きれいなまち、整っているまち』になるためにはどうしたらいいのか。建物の形や色のバランスを整えて看板の色や形を規制することよりも、まちの住民や企業が一丸となって落書きやごみが落ちていない、つまり安全なまちとしてのベースをつくることが大切なのではないかと思うようになりました。
街がきれいで整っていることの大前提はそんな些細なこと。しかし、きれいで整っているまちづくりは大変な事でもあります。
弊社のある大名地区は、毎月第１金曜日に行われている大名校区防犯組合主催で「大名防犯パトロール」が行われています。大名地区の住民の方、企業の方、警察官の方、そして当社も街がきれいで安全であるために地域ぐるみで活動しています。
この地区に長く住み、働かれている方々の自発的な活動が「きれいなまち、整っているまち」をつくりあげています。
スペースＲデザイン 北嵜（キタザキ）
