坪庭のある美容室

STORY

50年超えの木造戸建「西浦ルービック」の一階部分。
老朽化に伴いその役目を終えた住宅空間を美容室に変更する改装工事をお手伝いさせていただきました。

今回特に頭をひねったのが建物を支える構造柱の扱いです。
建物の中心に数本「抜けない柱」が存在しており、そのまま残すと単に通行の妨げになる柱になりそうでした。
この建物を長年支えてきた柱たちを今回の改修工事によって邪魔者にしない為にはどうしたらいいのか。

熟考の結果、今回はその柱が囲む床を坪庭に見立て、家の中心に小さな庭をつくることにしました。

柱を残し、その間を構造材の大引きがつなぎます。
一部の大引きの下には基礎（土留め）が打たれ、それ自体は構造材そのものなのですが、植物が植わるとまるで本当の坪庭に見えてきます。

空間全体は白塗装で一見新しいのですが、この坪庭のように、よくよく見ると建物の歴史が分かるパーツがそのまま使われており、施主の理想と建物の特徴や歴史が程よくミックスされた空間になりました。

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