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スペースRデザイン
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今回は給排水設備の更新の様子を図面を交えてご紹介します。

「新高砂マンションただいま再生中4」にて、排水管を内視鏡で覗いた写真を

見ていただくと一目瞭然かと思いますが、詰まってます!!

一般的にビルの排水管の寿命は30年と言われています。事実、漏水事故が

時々あり入居者さんにはご迷惑をおかけしていたところでもありました。

これから、築60年、100年を目指すこの新高砂マンションにおいては、排水管

の更新は必至です。ただ問題なのは、共用排水管は室内(住居内)にあり、同

じ位置で更新するには室内に入る必要があります。そのため入居者さんに大変

なご迷惑をおかけすること、また技術的にも現実味がありません。ですので、共用

部(廊下やバルコニー)に新設して各住居の改装時に室内排水管も更新、そこに

つなぎこむ。これがベストだろうということで計画を練りました。スケルトン・インフィル

の考え方です。スケルトン・インフィルとは、建物を構造体と内装・設備に分けて設計

する考え方のこと。これから30年、60年を視野にライフスタイルの変化に対応できる

こと、またメンテナンスや次回の更新時も容易にできること。大変な工事となりました。

200812121.jpg*画面をクリックすると大きくなります

[7号系統室内給排水配管図]

*赤:排水管 青:給水管 オレンジ:給湯管 赤丸:共用部新設配管 緑丸:共用部既設配管

改装を行った7号室系統の室内給排水管図面です。

電気温水器内に新しい共用排水管を新設し、室内の排水管はスラブ下にあった

古い管を撤去し、スラブ上に新しい排水管を新設します。そのため水廻りの床は

以前より10cm程高くなります。また、今回共用部給水管も新たに新設したため

室内も更新しています。

200812124.jpg縦の配管は既設の古い配管。床上に沿っている管は新設配管。

200812125.jpgグレーの管が新設排水管。ピンクがお湯。黒が水。

200812122.jpg200812123.jpg

*画面をクリックすると大きくなります

[新高砂マンションビル給排水系統図]

*赤:排水管 緑:排水管(キッチン雑排水) 青:給水管 

今回行った新高砂マンション給排水配管図です。日本ファシリオさん設計。

左側図面は系統図になります。共用排水管は7階から1階天井上まで降りてきて

1階天井上を横引きで外部に出ます。1階のテナントの健康堂薬局さんには大変

ご迷惑のお掛けする工事となりましたが、ご協力の上工事がうまく進行できました。

ありがとうございました。給水に関しては、今回新しく受水槽を設置し、ポンプで7階

天井まで水をあげます。以前は高置水槽が屋上にありましたが撤去しています。

右側図面は最上階7階の平面図。排水管は電気温水器室のほんのわずかなスペ

ースに立てています。当初は「スペースが狭すぎて無理です」とのことでしたが、どう

にかこうにか配管することに成功しました。加えて、給水管も7階の天井をはわして、

同じく電気温水器室から下へ降りていきます。廊下に露出して配管すれば楽ではあ

ったのですが、ビルの美観を考えるとやはり見えない場所にとがんばっていただき

ました。

200812127.jpg200812126.jpg200812128.jpg200812129.jpg

左から、電気温水器を外に出しての作業風景。

次に配管写真。左側の茶色の管が給水管。右側が排水管です。

次に電気温水器室から室内に管を出している写真。

次に室内に出した後の写真。電気温水器室の裏が浴室になっています。

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 「新高砂マンションただいま再生中」シリーズは6回目にて一応終了です。

これまでの日本では、30年サイクルで建物を建ててきました。

建物に限らず、電化製品や日用品その他、私も含めて新しいものを買い古く

なったものを捨ててきました。確かに、これらの行動が日本の経済を豊かに

したのは言うまでもありません。しかし、本当の豊かさとははたしてこれでいい

のでしょうか。古くなった建物を維持し、活用していくことはもしかしたら本当に

豊かさに近づいて行っているのかも知れません。

今回の大規模改修工事にご協力いただいた、信濃さん、若尾建設さん、日本

ファシリオさん、現場でがんばっていただいた職人さん、そして埃や騒音の中快

くご協力していただいた新高砂マンションのすべての入居者さん、近隣の方々。

本当にありがとうございまいた。これからも新高砂マンションが、この場所にあり

続けられるようにスタッフ一同がんばります。

次回のブログはもう少し軽い話題でいきたいと思います。

㈱スペースRデザイン 北嵜剛司


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