2015年より「木造戸建てワーク&シェアハウス」として入居者さんと共に歩んできた「茶山ゴコ」。
2021年12月末をもって1階シェアハウス(3戸)の運営を終了し、2階の2戸のシゴトバはそのままに、1階が1戸の「ワーク&レジデンス」として生まれ変わることになりました。
茶山ゴコの新しい挑戦のスタートに、振り返りと、運営形態の変更に至る私たちの想いを書きたいと思います。
郊外住宅地の静かな雰囲気×ヒューマンサイズの区画。「ちょっととまって一呼吸、小さな小さなスタート地点」をコンセプトに、シェアハウスとして運営して6年。
思い返すと、
人生の転機を迎え、自分の生活を見つめてゆっくり考えたい
生活スタイルを変えて、気持ちを整えたい
そんな想いを持ってご入居いただいた方が多かったです。
茶山ゴコの中で育まれたのは、住人さん主体のゆるやかなつながり。2階店舗の方も含め、一つ屋根の下の家族のような、安心できる関係性でした。
それは、茶山ゴコに共感し入居された住人さん達が、必要最低限のルールの中で、会話を通してそのときどきで生活しやすい環境を自らつくり、思いやりを持って生活して来られたからだと思います。
通い管理人の私は、茶山ゴココミュニティの一員として、住人さんの生活を見守らせていただいていました。いろんな方との出会いやそこから生まれる新しいつながりは、私の世界を広げてくれるものでした。本当にありがとうございました。
(住人食事会の様子)
一方でこの6年の間に、急速に時代は変化し、それに伴いライフスタイルも多様化。
働く・お店を構える場所の選択肢として、あえて都心ではない場所を選ぶ
住みながらお店をしたいなど、
他の戸建てプロジェクトや日々の仕事の中で、住まいやシゴトバに求める要素にはいろんな変化が訪れていることを強く感じていました。
そこで、あらためて茶山ゴコにとって大切なこと
茶山のまちに根付き続けること
建物の価値を高めていくこと
建物長期活用の可能性を広げていくこと
について考えた結果、茶山ゴコの特徴である「1階と2階の用途の異なる組み合わせから生まれる多様性とおもしろさ」はそのままに、1階に「住む」だけではなく「仕事場」としての要素を取り入れ、1階は1戸の住居兼店舗として運営することになりました。
そして大変嬉しいことに、1階住居兼店舗は、正式に募集情報を公開する前に、もともとつながりのあった方にお住まいいただくことが決まりました。
先日、この新しいスタートの機会に、建物1棟をまるごと楽しむ「茶山ゴコびらき」を開催。入居テナントさんにもご協力いただき、茶山ゴコにいろんな人が訪れ、それぞれ思い思いのペースでゆったり過ごした一日でした。
(茶山ゴコびらき当日の様子はこちら「築60年、茶山ゴコに新たな力が宿った一日(イベントレポート)」)
時代の変化を読み取り、少し先のより良い未来を思い描き、建物を大切に活用していくことの意味。
建物を使い継ぐ人たちによって建物に新たな力が宿り、建物がさらに生き生きした場へ成長できること。
私たちは、茶山ゴコプロジェクトから、とても大切なことを学ばせていただいているのだと思います。
これからも茶山ゴコのストーリーは続いていきますので、みなさまに見守っていただけたら嬉しいです。
2階には素敵なお店が入居されていますので、ぜひ足を運んでみてくださいね。
スペースRデザイン 新野