新型コロナウイルスの影響で世の中が大きく変わろうとしている今。
大変な状況ではありますが、新たな可能性を見いだすチャンスかもしれません。
ということで、今回。
山王マンション103号募集に関連して、「転貸借の可能性」について考えてみたいと思います。
転貸(てんたい)。
聞きなれない方もいると思いますが、簡単にいうと又貸し。人から借りたものを無断で第三者に貸すということですね。ほぼ全ての賃貸借契約書に明記されている、この転貸「不可」の内容。
ちなみに民法にも。
そもそも、なぜ転貸が禁止になっているのか。
それは、大家さん、入居者さん双方にとってリスクが大きいから。
貸主、借主の信頼関係で成り立つ賃貸借契約。大家さん(貸主)の立場からすると、審査をし信用している、あなた(借主)に貸したのであって、第三者(転借人)のことは知らないし信用することは難しい。また、あなたと転借人の間でトラブルが起こらないとも限らない。
転貸可能にすることで、トラブルの元が増えるわけですね。
大家さんが嫌がるのも分かります。ふむふむ。
住居は止めた方がいいように思いますが、事業系(店舗やオフィス)はどうでしょう。
急速に変化する時代のなかで、これまでになかった職業やサービスが生まれ、借主さんは色々と知恵をしぼり、おもしろいことを考え実行しています。
そこを踏まえて、転貸「可能」にすることで見えてくること。
・借主さんにとっては、もう一つの収益の柱になるかもしれない
・借主さんの経営の安定が、大家さんの賃貸経営の安定に繋がるかもしれない
・チャンスがなかった人に、チャレンジの場を提供できるかもしれない
・転貸先が、同じ建物の入居者さん、まちの人達にとって、お気に入りの場所・必要な場所になるかもしれない
・まちや社会に活気が生まれるきっかけになるかもしれない
可能性としてはおもしろいと思いませんか?
転貸可能にすることで、六方よし(借主さん、転貸者さん、同じ建物の入居者さん、オーナーさん、まちの皆さん、社会)になるかもしれません。
実際は、どの建物、どの物件でもいいということではなく、建物や物件の特性、入居者さんやまちとの相性など総合した判断が必要でしょうし、入居者さんの選定や契約内容を練る必要があると思いますが。
工夫や捉え方次第で、まだまだやれることはありそうです。
スペースRデザイン 小林