みなさまこんにちは。
スペースRデザインの伊藤です。
約1か月の工事を終え、先日無事お引き渡しを終えた六本松1丁目の美容室。
店主の「いい意味でゆるい感じ」のお人柄そのままに、お店のなまえは「あくび」、だそうです。
窓から見える景色や路地を散歩する野良ねこに昭和の雰囲気を感じ、なんだかほんとにあくびが出そうなゆったりとした空気が流れるお店になりました。
今日は工事完成報告として、私が今回の改修工事の中で大切にしたことを書かせていただきたいと思います。
前回のマガジン→https://www.space-r.net/blog/topics/265692
今回、プランや工事にあたって大切にしたのはその空間がもともと持っているもの、魅力や歴史感。
具体的に言い換えると、柱や下がり壁などに使われている古い木材やもともとの土壁、長屋ならでは細長い間取り、さらには窓から見えるお隣の小料理屋ののれんや果ては壁に貼られたシールまで。
そういった、その建物が歩んできた歴史を感じるものごとや独特の雰囲気を、残しかつ磨きつつ、現代の使用用途に合わせて手を加えていくことでした。
そういう理由から、すべてを解体し作り直すことはせず、もともとの間取りやパーツに少しずつ手を入れながら空間を目的とする形に寄せていく、そんな改修工事になったのではないかと思います。
ちなみにオーナーさん自身もDIYに関してはけっこう経験があるようで、寒空の下、気合を入れてDIYで塗った壁の漆喰も、まるでもともとそこにはそれが使われていたのでは、と思える溶け込み具合です。
結果、工事完了後も少し薄目でぼやーとみるともともとの姿が浮かんでくるような、でもぱっと見はちゃんと美容室、な面白い空間となりました。
工事にあたっては、築古の木造戸建てならではのあれやこれやの苦労話もあるのですが、それはまぁいつものことですのでここでは省略させていただきます笑。
工事中何度も買い出しに行ったとなりのたい焼き屋さんのたい焼きがおいしかったこと、オープン直前に納品された鏡が粉々に割れていて大変だっとこと、オーナーさんと竣工検査していたら、となりの小料理屋のおばちゃんが窓越しに話しかけてたこと(日常的にあることみたいです)など工事以外でのあれこれが印象深い現場でした。
六本松1丁目というガラパゴス的エリアにあった、住宅としてはその役目を終えつつあった古い建物が、外見の装いはそのままに美容室として新たないのちを吹き込まれ、素敵なオーナーさんの新たなチャレンジの場として再起動する、そんな場面に携わることができ私自身とても思い出深い現場となりました。
お店の名前は「あくび」。
古いものが好きなオーナーさんが始めた、いい感じにゆるい雰囲気をまとった六本松にある木造長屋の美容室です。
看板猫としておかれている猫のぬいぐるみにも注目です。
ご興味ある方はぜひ。
あくびインスタ:https://www.instagram.com/acubi_hairsalon/
いとう