この度、スペースRデザインの施工事例ページを公開しました。
→施工事例ページ:https://www.space-r.net/renovation_case
今日はせっかくなので、私たちがリノベーションを行うにあたって大切にしていることは何なのかを改めて言葉にしてみたいと思います。
築古賃貸マンションの室内改修から端を発したスペースRデザインのリノベーション。
老朽化したマンションの起死回生の一手としてリノベーションに取り組んだ2003年当時、まだ世にリノベーションという言葉は広まっておらず、再生デザイナーズ賃貸マンションと呼ばれていました。
2003年当時のリノベーション/山王マンション205号室「NATURAL LIFE」
当時は、古い建物の中にカッコイイデザインの部屋があるという話題性や先進性に注目が集まり、つまりは古い建物の中にデザイン性の高い部屋を挿入することの真新しさや斬新さがリノベーションの醍醐味であったように思います(ちなみにこの時代は外部のデザイナーさんにリノベーションをお願いしていました)。
それから時は流れ、私たちの行うリノベーションも時代の流れに伴って変化を遂げてきました。
いま、ふと立ち止まって自分たちが対象の空間と向き合うときに大切にしていることは何なのかを考えてみると、意外にも一番大切にしていることはデザインではありませんでした。
私たちが対象の空間と向き合うときに大切にしていること、それは対象となる「建物を想い、つかい継いでいく」こと。
そしてそのために重視していることは「時を経たもの対しての尊重」と「新たな価値の掘り起こし」という二つの要素でした。
施工事例/新高砂マンション603号室「OFFICE ±1」
少し掘り下げてお話しすると、それは私たちが古い建物の再生に取り組んできた歴史と、本業である不動産のコンサルティングという仕事に関係があります。
古い建物の再生を主に取り組んできた我々だからこそ思う、時を経たことによって深まる価値。
我々はワインや家具のように、建物や部屋にも時を経たことによって深まる価値があると考えています。
そしてそれを整え、現代のライフスタイルに合わせて手を入れることが我々にとってのリノベーションなのだと思い至りました。
施工事例/平尾村にある美容室「plateaux hair」
一方で、主要業務である不動産のコンサルティングという仕事を行う上で、元々の用途や見え方などを工夫し、本来設定されていたもの以外の魅力を掘り起こすことも我々の大切な役割です。
例えば、住宅地に建つ元住宅をお店に転用したり、DIYのサポートのみに注力した現場など。
その結果、対象によってはほとんど工事を行わないことや、行うのは解体工事のみ、という現場もたくさんあります。
世間一般にはリノベーションとは呼ばれないこれらの工事も(そもそも工事すらない現場も含めて)、その対象である建物やお部屋に新たな価値を見いだし、魅力を最大化する為のある種のリノベーションであると考えています。
施工事例/路地裏長屋の美容室「あくび」
DIYサポートの一環として行った解体ワークショップ/山王マンション「山王文化DIY」
つまるところ、古い建物のリノベーションに古くから取り組んできたからこそ抱く「時を経たもの対しての尊重」と不動産コンサルティング会社として対象に接するからこその「新たな価値の掘り起こし」という二つの要素を体現する為の手法が、私たちにとってのリノベーションなのだと思います。
ですので、私たちの施工事例の中には ぱっと見、これがリノベーションなのか? と思われるような事例があるかもしれません。
ですが全ては、私たちのリノベーションテーマである「建物を想い、つかい継いでいく」ことを目的として取り組んだ、実績なんだと思ってみていただけますと幸いです。
長くなりましたが、今日は私たちがリノベーションを行うにあたって大切にしていることは何なのか、についてお話させていただきました。
ということで、施工事例ページを公開しました。
まだ事例は少ないですが、これから少しずつ追加していきますので、どうぞ楽しみにお待ちください。
そして、リノベーションを検討している方、そして私たちの考えに共感いただいた方は、ぜひ気軽にお問い合わせください。
→施工事例ページ:https://www.space-r.net/renovation_case