新高砂マンション308号室、リノベーションプロジェクトが始動します・・・!

これまで全体の約7割のお部屋がリノベーションされ、「リノベーションミュージアム」としての歩みを重ねてきた新高砂マンション。
それぞれのお部屋が異なる個性を見せる中で、今回新たに308号室のプロジェクトが動き出します。

多くのお部屋が、リノベーションを経て新しく生まれ変わる中、この308号室は、建設当時の既存の設えを色濃く残す、今や希少な一室です。
今回は、この「状態良く残されたレトロな和の設え」の良さを最大限に引き出すため、異なる要素同士をあえて「対置」させることで新たな価値を持つ空間を創出しようという試み、タイトルは「間の間(あわいのま)」です。

▲現在の308号室のお風呂・キッチン
既存のキッチンや水回りは、「レトロである」という良さは残るものの、現代のライフスタイルを想定すると、快適性が不足していると考えられます。
そこで、キッチンや水回りには、現代の暮らしに寄り添う合理的で機能的な「即物的な要素」を掛け合わせ、既存の空間へと配置します。
ここでの「即物的要素」とは、余計な装飾を削ぎ落としたステンレスのような、素材そのものが持つ無機質でノイズのない質感のこと。
「レトロな設え」と「即物的な水回り」
異なる印象をもつ素材や温度感を、あえて混ぜ合わせないことで生まれるきっぱりとした境界、違和感。
ここでキーワードとなるのが「あわい」です。
あわい【間・淡い】 :物と物、人と人のあいだを表す大和言葉
「あわい」とは、単なる物理的な間合い(距離やスペース)だけを指すのではなく、その中間に存在する「にじみ」や「不確定さ」を肯定する概念といえます。
あまり聞き馴染みのない言葉かもしれませんが、実は日本の文化や美意識においては、古くからとても大切にされてきた概念です。
たとえば、
家の中と外を緩やかにつなぐ「縁側」のように、
また、夜が明け、朝を迎える黎明の時間の空のにじみのように、
あるいは、人と人の、適度な距離感と間合いを大切にする感覚のように。
曖昧な「あいだ」を愉しむ感性が、私たちの暮らしには息づいています。
今回のプロジェクトにおける「あわい」の役割もまさにそこにあります。
既存の空間に、即物的要素を居合わせることで、空間、人、またそこでの営みに「あわい」を生み出す。
現段階では、両者を混ぜあわせず、意図的にあえてきっぱりとした境界をつくっておき、そこへ住まう日々の営みが加わることで、その境界を少しずつにじませていく。
私たちが古くから愛してきた、不確定で変化していくプロセスそのものを、心地よい「あわい」として肯定する、器の大きい住まいを目指しています。

▲「間の間(あわいのま)」での暮らし方のイメージ。
プロジェクトは7月着工、8月完成予定。
7月にはコンセプトを視覚と味覚で楽しむ、途中見学会も開催予定です。
新高砂マンションが紡いできた歴史を継承しながら生まれる、新しい暮らしの形。
今後の展開にぜひご注目ください!
スペースRデザイン いのうえ
