『福岡の「へそ」を楽しむ~日帰り清川の旅~』レポートの第3弾。
旅の目玉であるトークセッション、パシャパシャ写真を撮っていた牛島がレポートいたします。
テーマは「旅するように暮らそう!まちのディープな味わい方~福岡のへそでこれからの暮らし方を少し自由に考えてみる~」。スピーカーは、福岡テンジン大学学長の岩永真一さん、Airbnb JAPAN 加藤美帆さん、スペースRデザインはじめ吉原住宅/NPO法人ビルストック研究会の代表吉原で、多様な方面から、「これからの暮らし」についてアプローチが行われました。
福岡で先駆的なリノベーションの一つであるLassicのFzeraf!さんが会場。
続々と集まってこられて、あっという間の満席でした!
まずはこのイベントが生まれたきっかけのお話しから。新高砂マンションはテンジン大学寮です。サークル活動も行われ、502号室をサークル参加者さんと部屋の企画から、プラン作りや内装DIYなど、段階を踏んで部屋づくりを行いました。この「日帰り清川の旅」は、その活動を、どのような形でみなさんに伝えるかが、企画のスタート地点となっています。
それからはスピーカーが登壇し、それぞれのテーマを紹介していきます。「清川というまち」「テンジン大学寮」「新高砂マンション」が、関わる人々にどうリンクしていくのか、テーマごとに語られていきます。
清川がリノベーションタウンに至る変遷を語る吉原。清川は元は遊郭街で、それが計画的に生まれたという過去から掘り下げて、リノベーションなど新しい芽が根付きやすい環境であったことが語られました。
テンジン大学について紹介をする岩永学長。ディスカッションでは、出た話題に対して福岡を中心としたデータや事例を基に肉付けを行っていきます。福岡内におけるネットワークとしての学び合う場としての在り方が語られます。
Airbnbというwebサービスについての紹介を行う加藤さん。自宅を全世界に向けて宿泊できる場所として発信するAirbnb。居ながらにしてグローバルなネットワークに飛び込めることや、2拠点生活など、サービスを利用することで、家の在り方が拡張される可能性が語られました。
最後は4人でディスカッション。話がまとめられていきます。
テンジン大学というローカルな根差したネットワーク、Airbnbというグローバルにつながるネットワーク、新高砂マンションという挨拶のあるマンション、502号室という一室で行われたサークル活動。それらは形は違えども、何らかの形で他者とつながろういう意思が形になった物のように感じます。そして、その中に飛び込むことによって、多くの価値ある物に出会うことができる可能性がトークの中で示唆されていました。新高砂マンションというリアルな場は、小さなネットワークそのものでありながら、より大きなネットワークの出入り口であることも語られました。
ネットワークの在り方は多様で、人それぞれに求めるものは違います。人々が適したものを選びとれるよう、様々な在り方のネットワークの出入り口が、リノベーションを通して清川にたくさん生まれてきています。それらが根付きやすい風土が清川というまちが持つ魅力であり、これまでとは違った視点でまちを見始めると、多層化したまちの姿が見えていきます。それはその場に止まるものではなく、全世界まで顔の見える形でつながっているのです。
その先に歩き出す一歩が、このイベントで語られる旅の始まりなのだと気付くことができました。