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スペースRデザイン
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「高砂女子Rプロジェクト」は2008年~2009年にかけておこなった、築30年(当時)のレトロビル「新高砂マンション」の居住空間をリノベーションすることにより再生したプロジェクトです。

  • 「しぜんのいえ」504号室
  • 「日本画と暮らす」607号室

をデザインしたmarm 池田麻衣子さん、アトリエ穂音 比佐水音さんの対談記事です。


―素敵なオフィスですね。

池田 ありがとうございます。ここは築50年を感じさせないほど状態が良かったので、セルフリノベーションを行った際、そんなに手をいれずに仕上げる事ができました。壁塗りは養生をしっかりせず失敗していますが(笑)。

比佐 でもいいですよね、それがなんか可愛らしくて。それに、パーツもドアノブが真鍮だなんてたまりませんね。私は冷泉荘にアトリエを構えているけど、冷泉荘は公団っぽくて、こっちは古い様式が残っている感じがします。築年数は両物件とも変わらないの、こちらの物件はすごく新鮮です。

―さて、今回のお二人のプランについて教えてください。

池田 私のプランは自分と同じ年代をターゲットに、ナチュラルな住空間を提案しています。私自身もナチュラルな雑貨や空間が好きで、5年前、10年前にそれが好きだったかというとそうでもなく、逆に結構派手な物が好きだったりしたんです。
今の年代になって思うことは、現代だからこそ「癒し」が求められているのではないかと思います。私くらいの年代ってバブルを知らないから浪費癖がなく、無駄遣いをするっていう感覚がなくて、だから家でカフェ気分を味わったり、お友達を招いたり、暮らし方を柔軟に考えられるんだと思います。

比佐 この年齢層だったら読んでいる雑誌が、「クウネル」とか「Lingkaran」とか「天然生活」とかの感じなんでしょうね。私の世代からみると、私のもっと前の世代がちょうどそういう時代だったと思うんです。それで、その時代の「生活の絵本」とか「私の部屋」とかの本が、まさに今の「クウネル」とかと同じ位置付けだったと思います。だから、やっぱり時代って一回りするというか、行き過ぎるとまた戻って、古い時代の良いところが見直されるんだなあって感じますね。

比佐 私の部屋はシンプルでユニッセックスな空間になっています。ヨガをしたり、食事会をしたり、プラスアルファで人を呼んで楽しめる空間にしたくて、畳は敢えて残しました。あと。ベランダ側には縁側を再現しました。これは私が色んな物件に住んできて、どうしても畳と掃き出し窓の関係にすごく違和感を覚えていたからです。だから縁側のイメージで板の間を設けました。お部屋では、お香やアロマをたいたりしてリラックスすることと、人を招いて楽しめることと、両方してもらいたいなというコンセプトで、男女限らず入居していただけるよう、シンプルなイメージで進めていきました。部屋自体、落ち着いた雰囲気なので、年齢層としては30代のイメージかな。

池田 住む人にとっても、シンプルな空間っていいですよね。きっと、こういう物件を好きな人って上手く工夫して暮らす方だと思います。それと、私も古い建物の板の間の感じが凄く好きです。昔の造りって、縁側や板の間がL字に配置されてますよね。この前、元料亭だった「清光園」という山奥にある建物を訪ねてきたんです。そこの雰囲気がとっても良かったですよ。

―比佐さんは襖に絵を描かれるとのことですが、イメージや製作について教えてください。

比佐 絵は襖の上のほうにタペストリー感覚で入れようと思っています。どういう方法で描くかはまだ決めていないんですが、色はあまり使わないで、襖紙を濃い色にして、白い日本画の絵の具で模様を入れようと思っています。でも、全てを“和”のイメージにしてしまうのではなく、両方の要素を取り入れた空間にしたいと思っています。なので、あまり日本画を感じさせない、デザイン化された和的な模様をあしらって、テキスタイル風に表現できればと思っています。

―最後に、実際にリノベーションに関わってみての感想があればお願いします。

比佐 私は現場の方とのやりとりで上手くいかないことがあって、ちょっと意図していたものと違う仕上がりになってしまった部分があります。現場の方も、色々と検討していただいているみたいですが、やっぱり、現場にこまめに足を運ばなきゃいけないなって思いましたね。

池田 プランとしては、やはり安全面を考慮して断念したところもありました。でも、自分が動けば実現できることもあって。今は珍しい真鍮の鍵付ドアノブとかは、一度却下されたのですが、何とか頼み込んで取り付けてもらえることになりました(笑)その時は、自分でも片っ端から探しましたが、施工の方にも随分探していただいて、ようやく見つけられました。古さを生かしたナチュラルな空間が出来上がる事を楽しみにしています。


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