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スペースRデザイン
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「高砂女子Rプロジェクト」は2008年~2009年にかけておこなった、築30年(当時)のレトロビル「新高砂マンション」の居住空間をリノベーションすることにより再生したプロジェクトです。

  • 「しぜんのいえ」504号室
  • 「switch」307号室

をデザインしたmarm 池田麻衣子さん、A’s glass studio 中村綾子さんの対談記事です。


―今回のプランについて聞かせてください。

中村 今回私が選んだ部屋は、そんなに日当たりの良い部屋ではなかったんですよね。その代わり、陽が入って明るい部分と陽の届かない暗い部分の差はすごくはっきりしているんです。ステンドグラスって陽がさんさんと入るところに入れても、もちろん綺麗なんですけど、陽が入らないところでも、こういう風なガラスの取り入れ方があるんだっていう新しい提案に挑戦してみたかったんです。今回私がステンドグラスを入れる箇所は外に面した窓とかではなく部屋の中なんです。部屋と部屋の間だったり、キッチンと洗面所の間仕切壁だったり。だから、太陽光で見るガラスの美しさではなく、ランプや照明を通してみるガラスの美しさを楽しんでもらいたいなと思っています。

―ステンドグラスの入れ方をデザインしたということですね。

中村 そうですね。今回は女性の入居者像を思い描いていて、現代の女性ってストレス多いじゃないですか。そういう女性が素に戻れる場所って言ったらやっぱり家だと思うんです。そのときに、ちゃんと気持ちの切り替えができるような部屋を考えました。だから、今回の私のお部屋のテーマは「switch」なんです。

―池田さんはどうプランニングされていったんですか。

池田 私も20代後半から30代、ちょうど私たちくらいの世代の女性を想定して進めていきました。ライフスタイルとして、今すごくナチュラル志向が流行っていて、そういった雑貨屋さんや洋服屋さんはあっても賃貸はないなと思って方向性を決めました。入った瞬間、落ち着けるような癒しの空間を考えていきました。一番こだわったところは床材で、色々調べて体にいい素材を使ったお部屋を作りたいと思って「しぜんのいえ」というルームネームにしました。

―「くつろげる空間」という点はお二人とも共通していますね。

中村 現代の女性って皆さん頑張っているっていうか、外で戦っているっていう感じがすごくするんです(笑)。しかも、自分の素に戻るっていうのは必要なことじゃないですか。そう考えると、それは居住空間だなって思ったんです。

―プランニングしていく中で入居者像は明確にあったんですか?

池田 私は自分と同じ年齢をターゲット層に設定して進めていたので、自然と自分が住むならって考えるようになりました。そう考えて、素材やパーツを選んでいきましたし、ここに家具を置くだろうから、ここは空けておこうとか、色々想像しましたね。

中村 私も自分が住みたい部屋っていうのが根本的にあったんですけど、今回の部屋は2DKで一人で住むにはちょっと広いと思ったので、カップルだったり、女性同士のシェアだったり、お互いの存在感が感じれるような部屋にしようと思いました。部屋の間に入っているステンドグラスは、一方が部屋にいるときもう一方は
ステンドグラスからこぼれる灯りを通して気配を感じられるっていう、そんな機能もあるんです。

―中村さんはステンドグラスというご自身の作家性をかなり活かされていると思うのですが、池田さんはグラフィックデザイナーとして壁に絵を描いたり、グラフィックを施そうとはお考えにならなかったんですか?

池田 自己満足で終わらせたくなかったので。だから、最初からそういう私個人としての表現はしないでおこうと決めていましたし、デザインとしても手を入れる部分は最小限にしています。中村さんはキャンバスがガラスに変わっただけで、部屋を作品のようにみせることはできますが、私は見せる職業でなく、どちらかというと裏方なので、今回のお仕事では住空間を入居者さんと一緒に作りあげたいと思っています。

―今回のプロジェクトには「-woman style collection-5名の女性デザイナーがお届けするシーンのある6つの空間」というテーマがあるんですけど、プランニングしながら思い描いていたシーンがあればお聞かせ下さい。

池田 ターゲットとする年齢層や現代の若い親子の間で流行ってるっていうのもあるんですけど、おうちカフェをしている感じですかね。この部屋はすごく日当たりがいいので、光のある空間の中でランチしているシーンとかをイメージしました。

中村 私は自分のステンドグラスの作品を見ながらホっとしながら、お茶をしているシーンでしたね。ステンドグラスって贅沢品なんですよ。別にないならないで生活は出来るわけなので、ステンドグラスを見たときにホっとしている姿っていうのは常にどこかで求めていましたね。


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