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スペースRデザイン
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「高砂女子Rプロジェクト」は2008年~2009年にかけておこなった、築30年(当時)のレトロビル「新高砂マンション」の居住空間をリノベーションすることにより再生したプロジェクトです。

  • 「switch」307号室
  • 「luxe」508号室(山王マンション)

をデザインしたA’s glass studio 中村綾子さん、吉原住宅 坪根寿枝さんの対談記事です。


―今回のリノベーションのポイントは、どういったところですか?

坪根 私は今回のプロジェクトでリノベーションは3回目なんです。今回のメンバーの中で、自分が他の方と違って何が表現できるかを考えた時に、私にできることは部屋に入った瞬間に「変わった!」と感じられるような空間を提案することだと思いました。今回は同じ間取りで2プラン提案しているのですが、506号室は付加えること、208号室は省くことでゾーンニングしていきました。タイルカーペットやフローリングを選ぶ際にも、色やトーンにもこだわって決めていきましたね。
私は不動産会社の人間なのでプランを考える時は、機能性を踏まえたデザインをするよう心掛けています。こうしてプランを任されるようになる以前に、あるデザイナーさんにお話を伺って、「機能をデザインをしました」と言われたことがありまし
た。その時はピンっとこなかったんですが、今はその感覚が分かるようになりました。この部屋だと、山王マンションはベランダがなく洗濯物を干すところが専有部にないので、室内に格子天井を設け、洗濯物が干せるようにしました。

中村 私の場合は、最初からステンドグラスを入れることを決めていたので、どこに取り入れたら一番効果的で綺麗にみえるかというのがポイントでしたね。マンションの一室となると必然的に室内になるので、効果的な場所を考えた時に壁の間に入れるのが良いかなと思いました。今までの仕事の依頼でも、ドアのガラス部分に入れることはあっても、壁に入れたことはなかったので、初めての体験です。普段依頼される仕事は、予めステンドグラスを入れるところが指定されているので、今回のように自分でステンドグラスを入れる場所も選べて、こうやって新しい提案が出来るっていうのは、良い経験だし、やっていて凄く楽しいですね。

―中村さんは、カナダでもステンドグラスを勉強されていたそうですが、そこでリノベーションに触れる機会はありましたか?

中村 リノベーション物件には出会わなかったですね。でも私自身、味のある古いアパートの一室を現地の方とシェアしていましたよ。リノベーションとまではいきませんが、現地の方は自分達で壁紙を替えたり、塗装をしたり、自然とDIYしていて、日本より自分の家のケアに関しては意識が高いと感じました。
それからカナダは冬が長く、その間は家の中で過ごす時間が長くなるので、照明の使い方はとても勉強になりました。室内には蛍光灯なんてなくて、全てが間接照明なんですよ。そうやって、光にこだわりを持つ文化だから、古い家には必ずステンドグラスがあって、100年物の修理の仕事とかもありました。
本当は、今回のリノベーションで間接照明だけの部屋という提案もしてみたかったんですが、日本人の感覚だと少し暗いと感じてしまうと思うので断念しました。それに、やっぱり照明って色合いとか住む人の好みがでる部分ですからね。

坪根 特にリノベーション物件に住む方は、今までの愛着のある照明とか家具とかがあるだろうから、そういう部分をデザインしようとすると、結構神経を使いますよね。

―では、最後に今回のプランで参考になったもの、或いは参考にしたものを教えてください。

坪根 私はいつも、施工・仲介担当者にアドバイスや意見をもらうようにしています。管理会社として、また入居者さんの立場に立ってみても、入居後のメンテナンスも含めて考えてないといけないと思うからです。あとは、雑誌を参考にしています。空間の作り方というよりは、住む人や室内の雰囲気を作り込んでいく時に参考にしていますね。それと普段からメジャーを持ち歩いているんですが、プランが固まるまでは本当にいろんなところを測りまくっています(笑)。

中村 私もリノベーション好きな色々な方にお話を伺ったり、雑誌も相当買いました(笑)。収納や水周りの部分で考え込んでいた時には、お世話になっているカフェのオーナーさんにアドバイスいただいて、パッとイメージが広がりました。


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