2019年10月にスタートした団地を舞台に学ぶ社会実験プロジェクト「久留米DIYリノベカレッジ」は、これまで以下4回のDIYワークショップを経て無事に完成を迎え、先日見学会及び振返りの会をおこないました。
①「はじまりの解体編」
②「床づくり編」
③「家具づくり編」
④「塗装編」
ここで、当プロジェクトのきっかけである “店舗併用住宅” のプラン発案者であり、設計デザインにも関わってくれたインドネシアからの留学生で久留米工業大学3年生のブライアン君から、改めて設計の意図や、実際に関わってみての感想を聞かせてもらいました。
予算とスケジュールの限られたなかで、且つ住み手の決まっていない賃貸住宅の設計デザイン、何もかも初めての体験で試行錯誤の連続だったようです。
ブライアン君の設計のなかで、特に目を引いたのが可変性のある家具。
使い方が固定されていたり、主張の強いデザインは、差別化できる一方で借り手を制限してしまうことにもなります。そこで、ここでは使う人や使い方によって間取りや使い方を可変できる家具を提案してくれました。
またワークショップではできない箇所を施工してくれた大工さんには、プロの仕事を見せていただきました。素人には真似できない熟練の発想と技術は、さすがの一言。
DIYでの部屋づくりでは、DIYする部分とプロにお願いする部分の線引きと判断が、非常に重要だと感じました。
その後は実際に家具を動かしてみたり、大工さんに話を聞いてみたり。
解体時のことやワークショップでの工程を思い出しながら、それぞれが思い思いに見学を楽しみました。
また後日、久留米工業大学の今泉学長にお越しいただき、完成した室内をご見学いただきました。
今回の産学官連携プロジェクトの全体の進行やそれぞれの関わり方についてなど、いろいろとお話しをさせていただきました。
久留米工業大学の学生さんには、受講生としても4名の学生さんにご参加いただき、若い元気なパワーに助けられた場面は多くありました。
民間企業と大学が連携することで、学生さんにはリアルな学びの場を提供でき、また空き家などの遊休不動産活用については、より市民レベルで社会問題の解決に取り組める可能性があるのではないかと思います。
このたびは貴重な機会を、どうもありがとうございました。
そして最後にご報告となりますが、当プロジェクトの舞台となったコーポ江戸屋敷111号は、素敵なご縁があり新たな入居者さんが決まりました。
まちの人たちとの関わりをもちながら、地域に根差した事業が展開される予定です。コーポ江戸屋敷の目指す姿、私たちの想いに通ずる方とのご縁をいただき大変嬉しく思います。
新型コロナウイルスの影響で事業のスタートは状況を見ながらとなりますが、今後のご活躍を楽しみにしています。
以上をもちまして、「久留米DIYリノベカレッジ」はカリキュラムの全工程を終了いたしました。
受講生のみなさま、並びに講師・関係者のみなさま、どうもありがとうございました。
この経験と学びが、それぞれのカタチで未来の糧となりますように。
それではみなさま、またどこかでお会いしましょう~!
スペースRデザイン 前田